令和元年9月3日、杵築市議会の定例会が開会した。議題には、議案第109号から第144号までの決算審査が含まれており、財政状況についての真剣な議論が行われた。
市長の永松悟氏は、冒頭の挨拶で消費税増税に伴う影響について触れ、子育て世帯への支援策として、幼児教育・保育の無償化の施策を説明した。無償化は3歳以上の全児童と、非課税世帯の3歳未満の児童を対象とし、保育料が全額免除されることで、多くの世帯の経済的負担を軽減すると強調した。
報告者として登壇した監査委員の大石聡氏は、平成30年度の決算について報告を行い、歳入歳出の概要を説明した。一般会計の歳入総額は約297億円で、歳出総額は約288億円となり、形式収支は約9億円の黒字であったが、実質収支額は約5億8千万円の黒字となり、収支は改善している。特に、経常収支比率が初めて100%を超えたことについて、財政の持続可能性への懸念が表明された。大石氏は、歳出削減の必要性を強調し、財政構造の見直しを求めた。
議案第145号では、ケーブルネットワークの光化工事の請負契約についての議論が展開された。加来喬議員は、財政状況が厳しい中、30億円の投資が本当に必要か疑問を示した。これに対し、財政課長の佐藤剛氏は、起債の予定で今後の影響が懸念される中で、必要な施策であるとの見解を示した。
また、議会は今回の会期を9月19日までの17日間と決定した。これにより、今後の会議においても、議題に取り組む体制が整えられた。この定例会では、市民生活に密接に関連する施策が多く取り上げられ、慎重な審議が行われることが期待されている。