令和2年6月の上田市議会定例会が開会し、各議題が審議された。最初に、議長の土屋勝浩が開会を宣言し、会議録署名議員の指名に進んだ。今回の指名は原栄一議員と宮下省二議員が行われることとなった。
続いて、土屋 陽一市長は、政府からの新型コロナウイルスに関する報告や、緊急事態宣言の解除に伴う経済活動の現状について言及した。市長は、感染拡大防止策を継続しながらも、地域経済の回復に努める姿勢を強調した。特に、観光業に対する影響については、非常に厳しい現状が続いていることを述べ、各種支援策を進める必要性を訴えた。
また、財政部長の山口武敏は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた市民や事業者向けの税収猶予措置について説明を行った。具体的には、特例措置が79件、約9,800万円の徴収猶予が行われたことが報告された。市は、こうした施策によって市民の生活を支え、経済活動の維持を目指す意向を示している。
さらに、教育部門でも新たな動きが見られた。小林 一彦健康こども未来部長は、学校におけるGIGAスクール構想の進展について報告し、全ての児童生徒にタブレット端末を配布する計画を進めていることを明らかにした。また、昨年の東日本台風による災害復旧状況についても言及され、市内の復旧工事が順調に進んでいるとの報告があった。
市の財政状況に関しては、各部長の報告が続き、健全な運営を守るための支出見直しや、新型コロナウイルスによる影響を考慮した中期的な政策の展開が提案された。具体的な議案が30件提出され、条例案が12件、予算案が4件含まれている。議会はこうした議案に対して真摯に審議を行うことで、市民とともに厳しい状況を乗り越えていく姿勢をアピールした。
議員の派遣については、議会内で異議なしと確認され、正式に派遣が決定した。今後の議会は、議案検討のため6月9日から14日まで休会し、次回は6月15日に会議が再開される予定である。