令和5年12月、小諸市議会定例会において、児童福祉や地域振興に関する多くの重要なテーマが取り上げられた。特に注目されたのは、小諸版"ウエルネスシティ"の理念に基づく健康施策と、子どもたちの健全育成、さらに高齢者や障がい者に対する福祉政策だ。
小林哲子議員は、「ウエルネスシティ」に関連して、社会福祉協議会が運営するアスパラキッズの閉鎖について重い課題を提起した。彼女は、障がい者への支援体制や偏見をなくす啓発活動の必要性を訴えた。市長の小泉俊博氏は、閉鎖の背景にある人材不足や、行政が引き続き障害福祉サービスの必要性を認識している旨を述べた。さらに、具体的な支援として、佐久圏域に設置された障害者相談支援センターの利用案内を行っていることを強調した。
竹内健一議員は、市民の安全と安心を確保するための犯罪被害者支援条例の必要性を訴えた。条例案が来年3月定例会にて提案されることが明らかにされ、加えて支援内容の具体的な検討が進められている。特に、物価高騰の影響を受けるひとり親家庭や低所得者層への具体的な支援策についても意見が交わされた。市長は、これまでの支援実績を踏まえ、必要な施策を講じることを約束した。
また、田邉久夫議員は、小諸市における"高地トレーニングエリア構想"についての進捗状況を質問し、アスリートとの交流の機会が市民の健康増進にも貢献することを強調した。市内には健康サポート教室やランニング教室が設置され、市民が積極的に参加できる環境が整えられている。市は今後もアスリート育成と市民交流をさらに強化する考えを示した。
さらに、早川聖議員は、福祉政策に関する議論を深め、特に保育士不足という問題に対する具体的な対策を求めた。市は、保育士の処遇改善に向けた計画を示し、財政的支援や保育士の職場環境の整備などに取り組むことを約束した。加齢性難聴者に対する補助制度についても議論があり、高齢者の社会参加を促進するために地方財政における補助制度の創設が求められている中での市の立場も問われた。
一方、マイナ保険証問題についても取り返しがつかない混乱が懸念される中、市長は国の施策に対して慎重な姿勢を示しつつも、地方としても積極的に声を上げていく必要性を強調した。このように、本定例会では、市民の生活に直接影響を与える様々な課題に対する真剣な討論が行われ、今後の方針について重要な合意が形成されたことが確認される結果となった。