令和3年9月、小諸市の定例会で多くの重要なテーマについて議論された。
特に焦点となったのは、小林一彦議員が提示した「財政面から見た学校再編計画」である。小林議員は、市の厳しい財政状況において、学校再編計画がもたらす経済的影響を懸念し、新たな学校建設にかかる費用の算出根拠を質疑した。その中で、新しく設けられる学校に伴い発生する不稼働資産の問題についても触れた。これに対して市長の小泉俊博氏は、学校施設と統合の影響について権衡を図るため財源確保に努める必要性を強調し、学校再編の重要性を認識していると述べた。また、長期財政見通しに基づく30億円の事業費については、具体的な資金調達計画が必要であることが示された。
次に、丸山正昭議員は、協働と行政経営に関する質問を行い、特に地域職員連絡会の役割や、地域住民との協働を促進するための行政の取り組みに焦点を当てた。市長は、地域課題解決のための協働推進が重要であるとし、地域職員連絡会を通じた活動の活性化に意欲を示した。一方、コロナ禍の影響で、その活動が制限されている現状を報告し、今後の可能性についての言及もあった。
また、早川聖議員からは、安心して子育てするための環境づくりに関する一連の質問があった。特に会計年度職員として働く保育士の正職員化、処遇改善、職場環境の充実に対する具体的な施策を求めた。教育長は、保育士確保の状況や処遇改善に向けた取り組みを紹介した。
このように、今回の定例会は市の財政運営、地域協働、子育て環境に関して堅実な討議が行われ、将来に向けた課題と戦略が浮き彫りとなった。関係者がこの議論を通して得た知見や提案が市政に反映されることが期待される。