令和5年3月の小諸市議会定例会において、議員から多岐にわたる質問が提出された。
特に注目されたのは、「待機児童問題」や「森林整備」、そして「小中学校の再編・統合計画」であった。
待機児童問題について、青木春美議員は現在の小諸市における状況を指摘し、入園希望の保護者の悲痛な声を紹介した。教育長の山下千鶴子氏は、保育園の定員や保育士の配置基準などの制約から、待機児童がゼロとは言えない現状を説明した。また、保育士不足問題に対する対策として、求人活動や処遇改善の取り組みを明示した。
森林整備については、青木議員が森林の持つ役割と課題を提起した。市長の小泉俊博氏は、小諸市の森林面積の重要性を強調し、森林づくり県民税の活用状況や、民間企業との協力による緑の保全について具体的な進捗を述べた。特に、民間企業との「里親制度」によって地域との相互協力を推進している点が注目された。
小中学校の再編・統合計画に関しては、小林一彦議員が地元住民の声を如何に懇話会に反映していくのかを問うた。教育長は、地域の意見を重視した取り組みがなされる予定であるとされたが、議員からの強い要望に対し具体的な進捗が求められた。
また、柏木議員は人生100年時代に向けた健康寿命の延伸策について質し、フレイル対策や歯と口腔の健康の重要性についても提言された。市長は、地域全体でフレイル予防に取り組む必要性を訴え、そのための体制及び地域における施策を拡充していくことを強調した。
さらに、田中議員は、公共施設のマネジメントに関し、老朽化した施設の統廃合やその方針について説明を求めたが、市側も慎重な検討を重ねなければならないと認識を示しており、今後の課題が浮き彫りとなった。