令和5年2月22日に開催された石巻市議会において、令和5年度予算案が審議された。この予算案では、一般会計として721億円が計上されており、前年度比で1.0%の減となっている。市財政の健全性を維持しつつ、歳入には市税の増加が見込まれるなど、全体的には前年よりも安定した収入基盤が確立されている。
特に、一般会計予算の中でも重点が置かれているのは、教育、福祉、さらには地域振興を図るための施策である。教育分野では、学校施設の維持管理費として大きな額が計上されており、生徒たちに質の高い教育環境を提供するための努力が続けられている。また、高齢者福祉や医療に関連する施策が強化されており、高齢者医療の特別会計予算も20億円を超える水準で編成されている。
水産業に関する予算も注目される。石巻市は水産業が盛んな地域であり、水産物地方卸売市場関連の予算も、過去の震災からの復興に関連した措置が取り入れられている。260億円に及ぶ水産業の予算は、漁業者や関係者の事業支援を目的としており、特に市場整備費用が強調されている。
加えて、石巻市の育成する若手クリエイター支援を目的に、マンガクリエイター支援事業も新たに創設され、その予算が登載された。これにより、外部からのクリエイターを招き、地域の魅力を高めたいという市の思いが反映されている。これからも石巻市は独自の文化と活力に富む街を目指し、各施策を推進する姿勢がうかがえる。
さらに、部活動の指導員配置についても新たに予算が確保されており、地域スポーツの振興が徐々に実現されることが期待されている。教育長も訪問した際に述べたように、学校内外の協力体制を整え、子供たちに多くの機会を提供する責任が大きい。
市になり立ってからの流れを大切にしつつ、これからも地域の良さを引き出すために、石巻市民全体での協力が一層求められるだろう。特に、地域のコミュニティ形成や文化振興を通じて、より多様な人々を受け入れることで、市の成長と持続可能性をさらに高めることが求められている。