令和2年第1回石巻市議会定例会では、市長の施政方針に対する質疑が行われた。
特に、女川原子力発電所2号機の再稼働についての話題が注目されている。24番の渡辺拓朗議員は、原子力発電所の安全性と緊急時の避難計画について懸念を表明した。これに対して、亀山紘市長は、女川原子力発電所の安全性に関する検討が進められており、住民の意見をしっかり伺った上で判断するとの姿勢を示した。
また、SDGs(持続可能な開発目標)への認知度向上についても意見が交わされた。渡辺議員は、国民のSDGsへの認知度が依然として低いことを指摘し、市の啓蒙活動の強化を求めた。市長は、職員を対象とした研修や市民向けのセミナー開催を進めていると述べた。
公共交通の充実も重要なテーマであり、渡辺議員は半島部から市内中心部へのアクセス改善策について質問した。市長は地区住民のニーズに応じたコミュニティカーシェアリングの普及を目指す方針を示した。
安心して暮らせるまちづくりに関して、市長は公共交通と高齢者支援策の充実の重要性を強調したが、今後も官民一体での取り組みが求められるとした。
気候変動に関する取り組みも課題として取り上げられ、市長は、環境施策の進展と市民のCO2削減への意識向上の必要性に言及した。渡辺議員は、市民への情報提供や啓発を強化すべきだと求めた。
なお、石巻市では合計特殊出生率の向上を目指し、子育て支援施策を拡充していく考えであるが、現在の出生数は依然として少ない。市長は、環境整備や周知活動を通じて出生率向上に取り組むと語った。
全体的に、施政方針に対する質疑は市民の声を反映した内容が多く、さまざまな分野における方策や課題が議論された。市長は今後も市民の声を基に政策に反映していく姿勢を維持する必要がある。