令和3年9月16日、石巻市議会第3回定例会が開催され、様々な議題が議論された。
災害公営住宅の状況について、収入超過世帯の問題が特に注目されている。収入を超過すると月々の家賃が急増し、多くの世帯が困難な状況に直面している。市長、齋藤正美氏は、「収入超過とは公営住宅法で定める控除を差し引いた年間総所得額が189万円以上で、該当世帯数256世帯」と説明した。
来年から更なる家賃の負担が増すことで、特に高齢者や低収入世帯にとって経済的な負担が重くのしかかるため、制度の見直しを求める意見が多い。議会では、住民に対して制度が分かりやすい形で説明されているか、丁寧な周知がなされているかも問題視された。
また、井内保育所と稲井幼稚園の再編計画に関しても議論が交わされた。教育長である宍戸健悦氏は、民設民営の方針で進める計画に疑問の声も上がる中、福祉部長からは「建物の老朽化や人数減少を考慮し、一時的に公立を減らすことも選択肢の一つ」と述べられた。これに対し、幼稚園・保育所の廃止及び統合に関する説明は、今後更に進められ、地元の保護者への周知も並行して行われる見込み。
次に、国道398号の安全対策についても触れられ、湊小学校と湊第二小学校が徒歩通学を始めた背景には、改良未整備の道があり、これに対する懸念が示されている。この問題に対し市は、信号機や歩道の設置を通じて改善策を講じる必要があると認識している。
図書館に関しては、石巻市図書館の現状に対して周辺整備や活動への参加を促す提案があり、利用者数の増加や施設の充実が求められている。教育長は、「図書館の役割は重要で今後も利用者サービスの向上に努める」と強調した。最新の企画展が開催されることも報告され、地域市民による活用が待たれる。
また、下水道事業の進展、認可区域や未整備の状況についても取り上げられた。特に私道の埋設において、所有者不明の事例が発生しており、行政側はガイドラインに基づいた合理的な手続きに従い住民との協力を深めていく意向が示された。