令和5年9月25日、石巻市議会が開催された。この日は、空き家や交通安全、スズメバチ駆除、救命活動など市民の安全・安心に関わる重要な議題が取り上げられた。天候不良が続く中、空き家の管理が特に注目され、その現状についての説明が行われた。
空き家について、梶原正義建設部長は、平成30年度から令和元年度にかけて市内全域を対象とした調査結果を報告。その結果657件を確認し、現在は112件の苦情相談が寄せられている状況を説明した。この苦情の主な内容は、管理不全によるもので、所有者には改善を促す通知が行われている。しかし、改善がなされない場合の具体的な対応についての明確な方針は不足している印象が否めなかった。
信号機については、最近完工した大街道の交差点に新たな右折信号の設置要望があったことが報告された。警察署からの返答として、設置の必要性を認識しているとのことであったが、スムーズな交通のために早期の検討が求められた。特に、通勤時間帯の混雑が安全性に影響を与えているため、市民からの関心が高まっている。
凶暴なスズメバチに対しては、専門業者の紹介にとどまる現状が問われた。市民の相談件数は年間30件程度とのことだが、駆除にかかるコストは約2万円と高額であるため、高齢市民や経済的に厳しい市民への支援の必要性についても議論された。そのため、一定の補助制度の導入に向けた検討が期待される。
また救命活動について、石巻市では救命講習を年々実施しており、昨年度の受講者数が37名であったことが報告された。さらに、地元学校においても心肺蘇生法の教育が行われているとのことで、教育の現場からも命を守る意識が広がりつつある。特に、親が子どもに教えることで知識を深め、周囲の人々を救える機会を増やす重要性が再確認された。特定健診の受診率が国より高い本市だが、健康増進へのさらなる取り組みが求められている。
鈴木良広議員らによるメタボ市脱却の運動や、沿道の安心安全な市民生活の確保に関しての議論は特に市民の安全に密接に関わる内容であり、災害時の防災や日常生活での安全対策は今後も継続的に議題に上がると思われる。市は引き続き、これらの健康や安全に関する施策を強化し、より住みやすい地域づくりに取り組む考えを示した。