令和2年11月9日、横須賀市議会が臨時議会を開催した。
議題では、議案第119号「令和2年度横須賀市一般会計補正予算(第8号)」が中心に議論された。
この議案は、4億323万9,000円を増額し、予算総額を2,088億4,137万8,000円とするもので、主に新型コロナウイルス感染症対策に充てられる。
市長の上地克明氏は、この補正予算について「横須賀共済病院に新たに開設するPCRセンターの運営費の助成や、高齢者向けの検査費用助成を行う」と説明した。
具体的には、検査を希望する高齢者に対する補助や、市内診療所への抗原検査キット配布も含まれる。また、保健所の感染症対策の体制を維持するための関連経費も増額される予定だ。
一方、議会では意見が分かれた。小林伸行議員は、福祉部によるひきこもり解消とフレイル予防の事業について「課題と打ち手が整合していない」と提起し、公金の使い方に疑問を呈した。
彼は、PCR検査にリソースを投下するのが整合性に欠けるのではないかと懸念し、「疫学上の合理性が必要」と述べた。
対照的に、藤野英明議員は高齢者への新型コロナウイルス検査助成について賛成の立場で議論を進めた。彼は「検査を助成することで、コロナ禍における高齢者のひきこもりを解消する効果がある」と強調した。
藤野議員は、自己負担について、特に生活保護世帯の方々が無料で受けられることや、他の高齢者に対しても抗原検査の選択肢を提供すべきと提案し、検査体制の周知徹底を要望した。
このように、市議会では新型コロナウイルス対策に関連する予算の是非が集中的に議論された。議題の審査の結果、議案第119号は賛成多数で可決された。
臨時議会は、午後4時16分に終了したが、議論は市民生活に直結する重要なものであったことは間違いない。