令和5年の横須賀市議会の定例議会が開催され、市は各会計予算及び関連議案の審議を行った。特に、人口減少を見据えた都市計画や、空き家対策に関する議論が中心となった。市議会でのやり取りの中で、議員の小林伸行氏は、「都市計画の重要性を強調」し、今後のまちの形を具体的に示す必要性を訴えた。特に、人口及び世帯数の減少に対応するため、適切な施設の整備が必要であると指摘した。
議員はまた、横須賀市における空き家問題にも言及。2018年には約15%の空き家率が報告されており、これからも増加が予想されることから、今後の施策として市街化区域の見直しや地域の特性に応じた政策を提案した。人口減少時代において、都市機能の維持が急務であり、施策の効果を検証しながら柔軟に対応することが求められる。
これに対する市長上地克明氏は、「横須賀市の特性から、既にコンパクトな都市である」と説明し、今後も町なかへの誘導を続けると意気込みを見せた。議員はこの点について反論し、まちを縮退させるべきだとの見解を述べ、地域の状況に応じた親近感のある施策を希望した。さらに、女性や高齢者の相談支援体制を充実させる重要性も強調された。
また、空き家対策についても議論が交わされ、会議では「住まいのエンディングノート」の活用や、空き家公社設立の提案が取り上げられた。市長は、現時点では空き家解消のための公社設立は考えていないと述べる一方、地域の実情を踏まえた柔軟な対応を進める意向を示した。
一方で、議会の質疑の中で、議員の中からは「非常用発電機の改修に関する問題意識」と「子どもの居場所不足」に対する危機感が現れ、緊急性のある課題として認識されている。特に「不登校」や「虐待」などが心配される家庭環境への施策が今後の議題として浮上する。市は、地域の多様なニーズに応えた施策展開を求められており、子どもや家庭を支える施策の方針が求められている。
今後、横須賀市議会では、提案された予算案の詳細な審議が続けられる見込みであり、地域の持続可能な成長に向けた施策の具体化が期待されている。