令和5年9月釜石市議会の定例会が開催され、複数の決算案が審議される中、次期市長の退任挨拶も行われた。
議議事では、令和4年度釜石市の各会計決算が承認された。総務企画部長の中村達也氏は、これらの決算が透明性を持って行われたと報告した。
具体的には、一般会計歳入歳出決算、国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算、後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算など、合計八件の決算が認定された。全て原案通り承認されたことは、議員の信任を掴む結果となり、委員長の細田孝子氏は審査過程を丁寧に説明した。
また、議案第62号として地方水道事業に関する決算案が審議され、これについても原案の可決となった。出席した議員は、これを受けて市民生活の向上を強く意識した発言が多かった。
会議の中で市長の野田武則氏が退任挨拶を行い、議会の場で20年間の政治生活を振り返った。野田市長は、この間の総合計画の進捗や市政運営の実績を強調し、市民の期待に応えられるよう今後も市政運営が続くべきであるとの考えを示した。
市長は、「一人ひとりの幸せの実現」、「危機対応と希望の追求」、「釜石発の新しい価値観」という三つの理念に基づいた市政運営について強調し、議会や市民との対話の重要性を再認識していると語った。特に、復興の完了や地域発展に関する期待をしっかり受け止めていく姿勢が示された。
さらに、今後の課題として少子高齢化や経済情勢の厳しさを挙げ、全員が地域の未来のために一致して取り組む必要があると訴えた。市長の発言は、地方の実情を反映したものであり、参加者に強い印象を与えた。
最後に、議長の千葉榮氏がこの日の議事を締めくくり、次回に向けた市議会活動に期待を寄せた。