釜石市議会の12月定例会は、令和5年12月19日に開かれ、市政に関する一般質問が行われた。議員たちは、重要な市政課題について、市長や各部長に対して直接的な問いかけを行った。
特に焦点となったのは、港湾振興と地域医療の充実である。港湾振興においては、釜石港の国際フィーダーコンテナ定期航路が週2便運航されていることが強調された。菊地広隆議員は、釜石港の利用拡大を呼びかける一方で、利用者の認識度を誓問した。特に、競争が激化している東北の港湾事情において、釜石港の優位性を確立するためには市民の理解が不可欠と指摘した。
続いて、地域医療について工藤聡一郎議員が質問を行った。彼は、医師の確保に苦戦している現状を訴えつつ、特に釜石病院の医療体制を強化する必要性を強調した。地域医療の充実に向けて、「人口減少を見据え、長期的な戦略が必要」とし、短期的な医療サービスの改善の期限を求めた。市長は、「医師確保が最優先課題」と述べ、奨学金制度を活用した医師の派遣を促進している旨を応えた。
さらに、河野議員は教育行政についての質問を行い、釜石市の学力向上施策について大いに疑問を呈した。全国的に学力が低迷している中、教育の充実が急務であるとし、入試に向けた学習機会提供が重要であると主張した。市長は教育の重要性を認識しつつ、学校規模適正化の必要性に言及した。
地域全体の利益を考えて「釜石をどう発展させるか」が今後の共通のテーマとなりそうである。また、犯罪被害者支援についても、細田孝子議員から提案があり、行政による支援の重要性が再認識される場面もあった。市長は「住民が安全に暮らせる環境を整える」と強調し、今後の取り組みに期待が寄せられた。