令和2年3月12日に開催された釜石市議会の定例会では、様々な市政課題について議論が交わされた。
その中でも、釜石市役所内の勤務状況とAIの活用に関する質問が注目を集めた。三浦一泰議員は、釜石市が新たな総合計画の策定に向けて進めている中、市職員の働き方改革に関する進捗状況やAI導入の可能性について尋ねた。総務企画部長の佐々木勝氏は、「職員の時間外勤務が前年と比べ18.65%増加しており、働き方改革が急務である」と指摘した。加えて、AIを活用した業務効率化も進めていると述べ、会議録作成システムを導入し、業務を効率化した実績をあげた。
次に、釜石市がラグビーのまちとしてのブランドを確立するための施策について議論が行われた。三浦議員は、ラグビーワールドカップ2019の成功を受けて、釜石市が今後どのようにそのレガシーを活かしていくか尋ねた。それに対し、ラグビーワールドカップ2019推進本部事務局総括部長の正木隆司氏は、地域連携の強化とラグビーを通じた教育プログラムの導入を通じて、ラグビーの魅力を発信していく重要性を強調した。
また、釜石港の活用拡大についても意見が交わされ、議員らは港のインフラ整備と物流拡大の必要性を訴えた。市長の野田武則氏は、「港は地域の経済活性化のために重要であり、引き続きインフラ整備を進めていく」との考えを示した。
このほか、持続可能な財政運営に関する視点も強調され、釜石市が財調を活用しながら、復興事業の推進を図る姿勢が示された。具体的な施策として、次年度に向けた施政方針演述も明らかにされ、今後の取り組みに対する期待が寄せられた。