釜石市議会の令和6年3月定例会が開催され、市政に関する一般質問が行われた。
質問の焦点は、東日本大震災後に造成した東部地区の空地活用や消防団員の現状、道路整備、史跡活用策など多岐にわたった。特に、高橋松一議員が提起した東部地区の空き地の活用に関して、市長の小野共氏は、被災された方々への宅地引渡し後、未利用の空き区画について公募による売却や貸付けを進める方針を述べた。具体的には、現在残る50区画の宅地と7区画の事業用地についても引き続き公募を行うとのこと。
また、消防団員についての質問もあり、地域における消防団員の重要性が再確認された。高橋松一議員は、機能別消防団員の年齢引上げや、団員不足の問題を取り上げ、現状の危機感を強調した。市は今後、消防団員の加入促進を図るとともに、地域の防災活動を支援していく意向を示した。
また、住みたくなるための道路整備に関する質問では、建設部長の本間良春氏が、平田源太沢線の詳細を説明し、必要な整備が求められていることを伝えた。緊急時の迂回路必要性も挙げられた。
史跡についても、高橋松一議員が提起。市内の観光資源を生かし、案内板の設置や休憩所の整備が必要との意見が出た。文化スポーツ部長の臼澤渉氏は、施設整備に向けた取り組みについて説明した。
村田信之議員からは市内の避難所や、産後ケア、釜石オープン・フィールド・カレッジ、そして不登校児童生徒についての質問が相次いだ。市長は、避難所については安全で安心できる運営体制の構築を目指し、産後ケアについてもサービス向上に努めると述べた。
教育長の高橋勝氏によると、不登校の児童生徒に対する取り組みは、早期発見と支援の強化が重要であるとし、地域社会との連携強化にも力を入れていくとしている。また、子ども食堂についても、地域のつながりを育む場としての重要性が強調された。
最後に、高齢者福祉計画に関する議論が行われ、市民ニーズの把握と支援の重要性が再確認された。今後の町の在り方については様々な意見が交わされ、釜石市の未来への展望が示された。このような市民の声を反映させる形で、課題解決に向けた努力を一層強化していくことが求められている。