令和2年12月16日、釜石市議会では新型コロナウイルス感染症への対策を含む市政に関する一般質問が行われた。本年度も総合的な市政への取り組みが進められており、特に災害対策や観光振興、住民支援が焦点にあがったと題する内容が注目を集めた。
9番議員の佐々木聡氏は、まず想定し得る最大規模の洪水対策について、具体的な世帯数や、避難所の確保状況について質問した。市の危機管理監である佐々木亨氏は、洪水浸水想定区域内に居住する可能性のある世帯数は約8000世帯、人口は約16000人と試算されていると説明した。
また、避難所の受け入れ能力について、通常時に5491人が収容可能であるが、コロナ対応では1250人に制限される状況を説明し、充実した避難施設の確保が必要であると強調した。さらに、市内で新たに設けられる施設についても、洪水リスクを考慮した浸水対策が必要であると述べた。
観光行政に関しては、観光振興部長が釜石市の観光の重要性を訴え、海のレジャー施設の利用者数が前年比で著しく増加したことを挙げた。特に、根浜海岸やオートキャンプ場の利用者数は好調で、体験型観光ニーズに応えるべく、さらなる施策強化が求められるとされ、観光業の振興は地域経済の大きな支えとなっている。
市民と行政の協働については、当局は市の総合計画のなかで、町内会等と連携しながら地域の課題解決に向けた取り組みを進める方針を示した。重要なのは、地域社会の協力と市民の意向をしっかりとヒアリングすることだと述べた。
子育て支援についても項目が挙がり、保健福祉部長からは釜石市子ども・子育て会議の活動が紹介された。この会議では、地域における子育て施策の推進と、相談・支援業務が強化されているとして、今後も各方面との連携を深めていく方針が伝えられた。
最終的に、各議員からは新型コロナウイルス対応の必要性が強調され、特に感染症防止のための支援策や避難所運営を見据えた施策の策定が求められている。感染拡大のリスクを考慮しつつ、市民が安心して利用できる仕組みづくりを行う必要があるといえる。