釜石市議会の9月定例会が令和3年9月9日に開催され、多くの市政に関する問題が取り上げられた。特に住みやすい環境の維持や保全策、効率的な土地利用、台風災害対策が議論の中心となった。
高橋松一議員は、「住みやすい環境の維持・保全策について」質問し、特に老朽化した下水道の現状を憂慮した。議員は、下水道の老朽化による様々な水処理トラブルについて指摘し、「年次計画で市民に安心感を与える必要がある」と訴えた。
市長の野田武則氏は、この問題に対し、老朽化が進む下水道について「ストックマネジメント計画に基づき改築を進めている」と説明した。さらに大平下水処理場の現状についても言及し、「延命対策を進めていく必要がある」と強調した。
次に、効率的な土地利用について、高橋松一議員は、平田埋立地の活用に関して、市が土地の所有者と協議する必要性を指摘。「地域振興に寄与する新たな産業導入を進めるべきだ」と強調した。
市長も、平田埋立地の現況や活用方針について説明し、「地域経済に貢献するような土地利用を進めていきたい」と述べた。
また、台風等の災害対策については、議員から「避難所へのルートが不安である」との声が上がった。市は、避難して不安を抱く高齢者への配慮が必要だと認識し、迅速な避難情報の発信を行っていると説明した。
新型コロナウイルス感染症に関しては、深澤秋子議員が感染拡大防止に向けた施策や、対象者への医療費免除について質問。市は、「現在の病床使用率や療養施設の確保についても見直しを進めている」と回答した。
教育行政については、川崎浩二教育部長が、GIGAスクール構想に基づくタブレット端末の配備状況を明らかにし、「児童一人ひとりの学びに役立てていく」と述べた。また、ICTを用いた授業の効果と課題についても言及し、今後の展開が期待される。
市の各部門が連携し、市民生活の質向上を目指している中、議会は災害対策や環境整備に向けた具体的な取り組みの重要性を再認識する機会となった。