令和2年3月13日に開催された釜石市議会の定例会では、市政に関する一般質問が行われ、和やかな議論の中で市政の現状と課題について深堀りされました。
特に藪田市議員の質問に対して、釜石市公共施設の建築系管理について菊池秀明議員が言及。市内に存在する公共施設の老朽化問題と、その更新や維持にかかる膨大な経費について議論が交わされました。菊池秀明議員は、「建築系公共施設の更新等に係る費用は今後40年間で約1058億7000万と推測され、1年当たりの平均は約26億4000万だが、現実には10億3000万の負担しか見込めない」と述べ、不足が生じることへの懸念を示しました。
また、森林環境譲与税についても議があり、深澤秋子議員が「釜石市の林野面積は89%を占めており、その活用が期待される」と強調。森林整備や担い手の育成における税の利用法が提案され、市長は「森林環境譲与税の令和2年度予算には約1900万円を計上し、教育や普及の支援にも注力する」と述べ、具体的な計画を示しました。
さらに脳卒中死亡率については、地区ごとの比較が行われ、釜石保健所管内の男性の率が高いことが問題視されました。詳細が報告され、保健福祉部長は「塩分過多や運動不足が原因とされ、啓発活動を強化する必要がある」との見解を示しました。
また、鉄鋼業界においては直近の高炉休止に伴う経済への影響が懸念され、釜石市の基幹産業としての役割が今後より一層重要になると指摘しました。市長は「地域経済への影響を慎重に見守りながら、企業誘致を進めていく」との決意を表しました。
教育行政や環境対策に関しても、子どもたちの安全やプラスチック廃棄物の削減策が問われ、環境課長は資源循環の促進に力を入れる考えを強調しました。
こうした多岐にわたる問題に対する市の取り組みが進む中、委員からは地域課題の解決に向けて市民が主体的に参加できるよう、十分な情報開示と広報が必要であるとの要望も寄せられました。議長は全体を通じて市民と行政のさらなる協力体制の強化を求め、全体でより良い釜石市を作る必要性を再確認しました。