花巻市は令和2年9月定例会(第3回)で各議員の一般質問に対して、重要な議題について多くの意見交換を行った。
新型コロナウイルスに関する質問が多く寄せられた。
特に、若柳良明議員は特別定額給付金の支給状況について問うた。給付金は99.9%の給付率を記録したと答えたのは、上田東一市長である。市では申請受付初期に全庁的な職員応援体制を整え、スムーズに業務を進めた。
市長は、「申請の初期には全庁的な応援体制を組み、迅速かつ的確に支給に努めた」と述べた。また、職員の超過勤務についても言及し、「特別定額給付金にあたり、全職員の協力のもと、約688時間の超過勤務が発生したが、無事に申請を完了した」と強調した。
花巻市の温泉宿泊施設利用促進事業に関しても若柳議員が質問した。市は7月から宿泊助成を行い、その結果、宿泊助成利用者は約23,582名に上り、助成額は約9,090万円に達したと報告した。この取り組みは県内多くの宿泊業者を支援することに寄与した。
防災対策についても議論が展開された。特に、防災会議における女性の増員について、若柳議員は女性の視点を取り入れる必要性を訴え、「大阪府で女性防災専門委員会を設置した成功事例を参考にすべき」と提言した。これに対し、上田市長は「防災業務における男女の役割分担の見直しは今後の課題である」と認識を示した。
また、避難所運営の質向上について提案もあり、特に女性専用スペースの確保が重要だと語ったのは、藤原伸議員である。市は、避難所の見直しを続けているが、課題は多い。
議論の後半では、観光および商業の支援策が取り上げられた。今後の観光支援、市内商店街の活性化についても意見が交わされ、地域間のバランスを保ちながらの整備が求められている。市は、観光や商業を取り巻く環境の変化に柔軟に対応しつつ、地域の特色を生かした施策を進めていく意向を示した。
このように議場では多様な意見が交わされ、花巻市の今後の行政運営に向けた重要な基盤が築かれた。市長は、「市民の皆様の意見を大切にしながら、今後も透明性のある運営を目指していきたい」と述べた。また、市民の参加を促進し、より良い環境づくりに向けて取り組んでいく意向も示した。