令和4年3月2日に開催された定例会では、各議員による一般質問が行われ、花巻市の公共施策について多くの意見が交わされた。
特に目を引いたのは、花巻市公共施設マネジメント計画に関する質問だ。照井明子議員は、学校教育系施設の管理と長寿命化について強調し、合併特例債を活用した大規模改修の必要性を訴えた。この計画では、少子化による児童生徒数の減少を見越し、地域の意見を基に学校の再編を検討する方針が示されており、それに対する実行力を求めた。
これに対して上田東一市長は、合併特例債の発行可能額を挙げながら、現時点での優先度を示さなかったことに対する市民からの疑問の声にも配慮し、教育環境の整備には時間をかけて考えていく必要があると述べた。この流れで市長は、現在の施設が地域の絆を育む重要な場であるとの認識を示している。
また、ヤングケアラー支援についても議論が行われ、照井明子議員は市内の現状把握と支援体制について質問した。市長は、現時点で具体的な実態把握は行われていないとしつつも、今後の研修を通じて認知度向上を図る意向を示した。今後は、教育現場との連携強化がカギとなる。
さらに、除排雪支援についても言及され、大雪被害を受けた高齢者支援の必要性が訴えられた。菅原ゆかり議員は、独居高齢者への除排雪支援の充実を求め、更に地域コミュニティの協力を得る形での支援の拡充も視野に入れた方針を示した。市はその活動を支援する考えを示した。
一方、次期総合計画の策定に関する提案もなされ、市長はコンサルタントの活用を計画している点を強調した。これは、市民参加を重視しつつ、分かりやすい施策を実現するための戦略だ。市民から意見募集を行う姿勢を示した市長に対し、議員からは概算でカウントされた予算の透明性が求められた。
議論の中では、地域振興とともに花巻市の持続可能な成長が必要であるとの認識が大勢を占め、質疑応答を通じて、市民との対話の重要性も再確認された。今後の市政運営においては、透明性の確保と市民参加を推進していくことが求められる見通しだ。