令和4年6月の定例会において、複数の議員が多様なテーマについて質疑を行った。
特に注意を引いたのは、次期総合計画についての質疑で、伊藤盛幸議員が主導した。市長の任期に合わせた計画期間設定の利点や、社会情勢の変化に柔軟に対応できる仕組みの重要性が強調された。市長の上田東一氏は、「市民の意見を聞きながら、総合計画を策定するのが重要」と発言し、現行計画の課題を踏まえつつも、長期的な視点からの計画策定を進める意義を述べた。
次に、新花巻図書館の整備に関する問題が浮上した。羽山るみ子議員からは、図書館整備に関する市民の要望や意見が取り上げられ、特に建設場所に対する意見の多様性が指摘された。市長は、「利用しやすい場所を選定することが重要」と強調しつつ、具体的な候補地や図書館の規模、必要経費についても言及した。おおよそ21億円の建設費用を見込み、その財源についても説明した。
一方、JR花巻駅東西自由通路の整備についても議論が交わされた。特に、花巻駅の利用者から寄せられた意見を反映させる重要性が痛感され、地域住民の声を無視しない施策が求められた。市長は、工事費用の見積もりなどに関する具体的な調査を進めていることを述べ、駅周辺の整備に向けた取り組みを進める意向を示した。
さらに、旧新興製作所跡地の問題も深刻な課題として取り上げられた。株式会社メノアースの破産申請後、土地の管理や処理についての県との連携が必要であるとの認識が市当局から示された。特に、PCB廃棄物やコンクリートガラの適切な処理に向けた対応の重要性が再確認された。市は県に対して適切な対応を求める姿勢を示し、地域住民に安心を提供することが求められた。
この定例会では、多くの議員が地域の課題や市民生活に直結するテーマを取り上げ、今後の施策に対する具体的な提案がなされ、多様な視点からの議論が展開されたことが印象的であった。より良い花巻市を実現するため、市民参加の仕組みを強化することが今後の課題とされる。