令和5年6月21日の花巻市定例会では、高齢化に伴う独居高齢者への支援や、犯罪被害者への施策について重要な議論が行われた。
最初に、犯罪被害者支援について、市民生活部長の伊藤理恵氏が説明を行った。花巻市では、犯罪被害者が平穏で安心した生活を取り戻すため、さまざまな支援を実施している。特に、犯罪被害者等基本法に基づき設立された岩手県の被害者支援センターとの連携が強調された。市民生活総合相談センターを通じて、犯罪被害による困りごとの相談に乗り、必要に応じて専門機関へつなげる体制を整えていることも報告された。
加えて、菅原ゆかり議員は犯罪被害者支援の条例化を提案した。県内で犯罪被害者等施策に関する明文化された条例がない中で、花巻市でも具体的な制度設計を進める必要があると指摘した。この点について伊藤部長は、県の条例化を注視しつつ、市独自の施策としての必要性を検討する意向を示した。
次に、健康維持に向けた疾病予防事業についても議論がなされた。佐々木精市議員は、花巻市で実施されている健康づくりフロンティア事業の実績を引き合いに、家庭血圧測定事業が有効であることを紹介した。この事業は大迫地域で特に成果を上げており、県外でもその成果が認められている。市長もこの成果に触れ、地域全体への展開について慎重に検討する姿勢を見せた。
さらに、視覚障がい者への情報提供の方法に関する質疑も行われた。市では点字や音声データによる情報提供を行っているが、菅原議員はUni-Voiceの活用を提案した。この音声コードを用いることで情報提供のアクセシビリティが向上するとし、市の導入を期待した。今井健康福祉部長も導入について前向きな姿勢を示し、実施に向けた検討を行うと応じた。
総じて本日の会議では、高齢化や様々な社会的課題への対策として、包括的な支援体制の重要性や、情報の適切な提供方法が話し合われた。市は今後も市民の安心・安全を確保するため、他機関との連携や対策の強化を進めていく姿勢である。