令和5年9月4日に行われた定例会では、農業振興及び地球温暖化対策が重要な議題として取り上げられた。
まず、農業振興に関する取り組みで、横田忍議員(明和会)は、近年の異常気象が農作物に与える影響について問いかけた。特に、凍霜害や高温障害の実情を詳述し、凍霜害が特にリンゴなどの農産物に多大な被害をもたらしていると指摘する。「農作物の凍霜害について、現在の被害状況や見込み額を知りたい。」という問いに対し、上田東一市長は、リンゴの被害面積が約92ヘクタール、被害を受けた農家が425件に達したと報告した。これに対して、新たな支援策を求める声も上がる中、農業経営の安定化に向けた新たな対策が期待される。
次に、地球温暖化対策についての話題に移る。農業振興と並行して、この問題が深刻化していることを市長は認識している。この議論では、「農林水産業のCO2ゼロエミッション化」や化学肥料の使用低減を掲げた「みどりの食料システム戦略」についても議論が行われた。さらに、横田議員はみどりの食料システム戦略によって「2050年までに目指す姿」と市の取り組みについて問うた。市長は、環境問題への取り組みは常に進行中であると述べ、特にカーボンニュートラルに向けた施策を強調した。今後、具体的な施策や成果に注目が集まる。
その後、付託された案件の一つ、イーハトーブ花巻応援寄附金について伊藤盛幸議員が言及する。花巻市の寄附金の実績は過去最高の46億847万円を記録。寄附の使途や今後の展開についても意見が交わされ、「地域経済の活性化につながるような魅力的な事業を更に推進していくべきだ」との主張が強調された。特に、返礼品の内容が成功の鍵となることに触れ、さらなる工夫を求めた。
新庁舎建設や新花巻図書館整備に関する質問も続く。市長は新庁舎の必要性について慎重な考えを示し、まずは既存施設の活用を優先する姿勢を強調した。一方で、新花巻図書館の整備に関しては、駅前の位置が議論され、高校生の学習環境確保がポイントとして挙げられた。