令和5年6月20日、東海村議会は定例会を開催した。
この日は、追加議案の上程や請願についての審議が行われ、特に最低賃金引き上げに関する請願が注目された。
請願第5-1号は、最低賃金の大幅引き上げと中小企業支援策の拡充を求める内容で、建設産業委員会での審査の結果、不採択となった。建設産業委員長の寺門定範氏は、この請願に対して「産業構造や雇用体制を考慮する必要がある」と強調した。
賛否が分かれたこの請願では、賃金の引き上げが喫緊の課題であるとの意見が多く挙がった。一方で、経営者側からは、中小企業の経済的体力を考慮に入れた上での賃金引き上げの必要性が指摘された。賛成意見として、日本共産党の大名美恵子議員は「最低賃金を全国一律で引き上げることが必要であり、地域間格差を縮小するために施策を進めるべき」と述べた。
反対意見として、経済環境の厳しさを訴えた岡崎悟議員は、「現状では最低賃金1,500円の実現は難しい」と発言。結果、請願は賛成少数で不採択となった。
また、議案審議では、令和5年度一般会計補正予算が可決。「庁舎エレベーター改修工事」などの工事請負契約が承認された。加えて、村長の追加提出議案に関して、山田修村長が「これは村の継続的発展に必要な案件である」と説明し、全ての議案が原案通り可決された。