令和3年3月12日に開催された第1回東海村議会定例会は、重要な議題が数多く取り上げられた。その中でも特に注目を集めたのは、2050年に向けた二酸化炭素排出実質ゼロに関する議論である。
議員の武部愼一氏は、新型コロナウイルスの現状に触れた後、「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ」について質問した。武部氏は、温暖化による自然災害の増加を指摘し、温室効果ガスの人為的増加が主要な要因であると強調した。
村民生活部長の佐藤秀昭氏は、「本村では2050年のゼロカーボン実現に向けた取り組みを進めている」と述べ、ゼロカーボン市区町村協議会に加盟したことを報告した。この協議会は、地域の課題を調査研究し、脱炭素社会実現に向けて対策を考えることが目的である。
さらに武部氏は、グリーン化事業の必要性を訴え、CO2吸収の観点からの事業拡大を必要とするとの意見を述べた。特に防風林や防砂林の維持管理の重要性が強調され、官民一体となった植林活動が期待されることとなった。
次いで、生活道路の標示修復に関する質問が行われ、武部氏は病院周辺の標示がかすれており、夜間の安全性に問題があると指摘した。建設部長の川又寿光氏は、道路標示の早急な修復を約束し、安全確保に向けた具体的対策を示した。
また、コロナ禍の影響を踏まえ、インフラ施設の総合管理計画についても質疑があり、財政的な見通しの不透明さが懸念された。懸案として、幼稚園と小学校の統廃合問題が挙げられ、必要性について再評価するよう求められた。
さらに、除去物の埋設処分に関する実証試験についても議論が行われ、環境省が進めるガイドラインの整備に向けた取り組みが紹介された。一方で、コロナ禍における子どもの心のケアが重要視され、教育長の伴敦夫氏は、学校での心のケアに関する取り組みを説明した。
議論の終息を迎え、特に注目されたのは原科研のJR3運転再開に関する問題であり、それに伴う住民の安全確保や情報提供が求められた。村民生活部長は、住民防護策の実効性を確認する必要性を訴えた。
最後に、官民共創の考え方についても議論が展開された。将来的に公共サービスのあり方が問われる中で、関係者による意思疎通が必要であるとの意見があり、村長はあくまで住民の安全を第一に考えた運営を進めると表明した。