令和5年6月に開催された高萩市議会定例会では、地域コミュニティの実態や行政支援について多くの議論が交わされる。
一般質問では、岩倉幹良議員が高萩市における町内会、通称常会の現状や加入率の低下について言及した。一問一答方式で進められた質疑において、企画総務部長の大月隆行氏は、直近3年間の加入率が減少傾向にあることを報告。具体的には、令和5年5月時点で常会の加入率は48.6%であると述べた。この加入率の低下について岩倉議員は、自治体が無関心ではなく、より強い支援が求められると主張した。
また、岩倉議員は、日本赤十字募金に関しても議論を展開した。令和2年度から令和4年度の募金の実績が示され、その中で町内会が占める割合が減少していることが指摘され、継続的な支援の必要性が強調される。特に、常会が地域社会の安全や共助の担い手として果たす役割は依然として大きいとし、地元の支援活動の重要性を訴えた。
さらに、防犯灯の維持に関する議論も行われた。岩倉議員は、現在の電気料金を常会が負担することの不公平感を指摘し、市による全額負担の提案をした。市長の大部勝規氏は、地域の自主性を重視しながらも支援の必要性について見解を示し、地域コミュニティの活性化に向けた取り組みを継続する意向を示した。
会議では障害者情報アクセシビリティについても触れられた。菊地正芳議員が音声コードの重要性を訴え、障害者に優しい情報取得の推進を求めた。市長はこれに対し、音声読み上げ機能の導入に向けた検討を進める考えを示し、視覚障害者や高齢者にとっての情報アクセスの拡充を目指す姿勢を示した。
自治体のデジタル化、いわゆる自治体DXについても議論が及んだ。市民生活部長の遠藤幸治氏は、書かない窓口、待たないシステムの導入を模索していると報告。これは市民の利便性向上につながる取り組みであり、今後の計画が期待される。