令和6年第1回大子町議会定例会では、町の未来を考えた重要な議題が数多く取り上げられた。
初めに、川井正人議員が超高齢社会に向けたまちづくりへの質問を行った。国立社会保障・人口問題研究所の予測によれば、2050年には大子町の人口が60%以上減少するとされ、町の未来は厳しい状況にある。この状況を受けて、まちづくり課長の齋藤弘也氏は、「若者の減少が高齢者を支える上での大きな課題」と述べ、地域包括ケアシステムの充実などの施策を推進していることを強調した。
次に、川井議員から中学校の統廃合に伴う通学方法についても質問が寄せられた。教育委員会事務局長の山崎仙一氏は、統合後の通学方法について、公共交通機関やAIタクシーの利用などを検討中であると説明。また、統合の過程で保護者向けの説明会を開催する意向も示した。
観光面でも重要な発言があった。飯村剛議員は、特に袋田の滝を中心に観光振興策が行われていることを取り上げ、その成果を評価した。観光商工課長の田那辺孝氏は、茨城デスティネーションキャンペーンにより観光客が増加したことを報告し、特に袋田の滝の来訪者が前年より16%増加したことを明らかにした。
さらに、廃校の利活用についても焦点が当てられ、農業振興を目的とした体験型テーマパークの提案がなされた。農林課長の小室学氏は、地域の特産品を生かした農業テーマパークの設立について前向きな考えを示した。
加えて、藤田稔議員は災害に強いまちづくりを求め、備蓄状況や避難所の安全対策に関する具体的な情報が求められた。総務課長の藤田隆彦氏は町の備蓄計画に基づき、災害時の備えが進められていると報告した。
最終的に、少子高齢化とその改善に向けた施策について、町長は未来志向のビジョンを示しつつ、地域のコミュニティを支える施策の重要性を訴えた。今後も多角的なアプローチが求められる中、大子町は持続可能な発展を目指す。