令和4年3月7日に開催された高萩市議会定例会では、人口問題や市民体育館の雨漏り問題などが議論された。
特に、議員の田所和雄氏が市の将来人口について言及した。今後の高萩市の人口は着実に減少する見通しで、2045年には現在の27,000人を下回ることが予想されている。具体的には、国立社会保障・人口問題研究所の推計により、2050年には高萩市の人口が17,700人に達するとの予測が出ており、年少人口層の急速な減少が懸念されている。
田所氏は特に、将来目標人口を2030年の2万5,000人に設定し、合計特殊出生率の向上とともに人口の社会動態を見直す重要性を強調した。市長の大部勝規氏も、政策としての人口減少対策が重要であることを認識し、「持続可能な地域であり続けるためには、この急速な人口減少にしっかりと対処していく必要がある」と述べており、支援策として関係機関との連携を続けると表明した。
また、議論の中で市民体育館の雨漏り問題も取り上げられた。議員の平正三氏は、雨漏りを防止するために屋根の全面的な改修が必要であると主張したが、大部市長は「予算の範囲内で状況を見守り修繕を再検討する」との考えを示した。市長はさらなる調査を行い、必要に応じて対策を講じる意向を明らかにし、最終的には市民が安心して体育館を利用できる環境を整える考えを強調した。
高萩市が直面する人口問題や施設の維持管理は、今後の地域活性化や市民生活の質向上にとって重要な課題である。議員たちの辛辣な指摘と市長の慎重な答弁を通じて、この地域が抱える複雑な問題が浮き彫りになった。今後も市は、人口減少に向けた柔軟な対応と資源の最適配分を求められ続ける。