令和元年6月18日の高萩市議会では複数の重要な議題が取り上げられた。市民生活や行政の基盤に関わる問題が中心となり、それぞれの議員が意見を交わした。特に高萩市の食品ロスについての質疑が印象的であった。
まず、12番の今川敏宏議員は、食品ロス削減推進法の施行を機に、日本が抱える食品廃棄の現状を指摘した。議員は、日本が年間で約1,700万トン、うち800万トンが「食品ロス」と呼ばれる無駄であることを挙げ、これは5,000万人が一年間生きていける量であると強調した。高萩市では、年間約1,800トンの食品ロスが推定され、その処理経費も大きな負担になっている。市民生活部長の篠原新也氏は、食品ロスへの意識向上を促進するための多角的施策を進めていると発言した。
さらに、学校エアコン設置事業についても質問があり、今川議員が進捗状況や財源について詳しく質した。教育部長の石井健寿氏は、エアコン設置事業の財源内訳を説明し、国からの補助金や地方債の利用計画を明かした。エアコン使用に伴う電気料金は年間約1,050万円と試算され、市民負担を抑えるための工夫も求められた。
また、高萩市の庁舎の管理保全規則に関する議論も行われた。議員は、昭和40年から改正されていない規則の現状を報告し、改正の必要性について問うた。総務部長の矢代省吾氏は、現行の規則は運用されているものの、見直しが必要であるとの認識を示した。
今回の議会では、市の財政問題や人口ビジョンについても活発な意見交換がなされた。田所和雄議員は高萩市の財政健全化の進捗状況を振り返り、経常収支比率や実質公債費比率に触れながら、財政健全化の取り組みを評価していた。一方で、借入金残高の推移や新たな財政負担の懸念も指摘され、慎重な運営が求められた。
これらの問題に対し、市長の大部勝規氏は、今後とも市民に向けた的確な施策を進める意向を示し、一つ一つの課題解決に向けて取組む姿勢を強調した。特に、高齢化進展に伴う制度の整備や、観光振興に関する計画策定の重要性が再確認された。例えば、観光施策については、国体を契機にした新たな観光振興策に期待が寄せられており、積極的な情報発信やターゲット観光客へのアプローチが議論された。
これらの問題が解決に向けて進展するのが期待されているが、それには特に市民の参加と理解が不可欠であろう。今後も高萩市の取り組みや、施策の広がりが注目される。