令和2年9月7日に高萩市議会定例会が開催された。議会では新型コロナウイルス感染症の影響が多くの質問で取り上げられ、その中で各種イベントや事業の中止が市の財政に与えた影響について議論された。特に、議員の渡辺悦夫氏が指摘したように、多くの事業が中止となり、その結果として約1,800万円の経済的損失が生じていることが影響を及ぼしている。総務部長の二田雅史氏は、中止した事業の具体的な内容とその経費を詳細に報告。観光や教育、スポーツ振興に関わるイベントの中止が財政に及ぼす負担が明らかになり、これを受けて今後も財政の健全性を維持するためには抜本的な施策見直しが急務であると強調した。
また、高萩市の人口減少に対する対策に関しても議論がなされた。坪和久男市議は、新型コロナ禍における雇用問題を指摘。市内の企業が新規採用を抑制する中で、地元出身者を対象にした雇用拡大策が必要であると訴えた。これに対し産業建設部長の篠原新也氏は、雇用思維推進の必要性について同意し、具体的な取り組みとして市民雇用奨励金制度の導入に議論が進んだ。
さらに、高戸前浜に関する管理体制や安全対策も重要な議題の一つとなった。海岸周辺では多くの市民が訪れる中で、利用者の安全確保が求められている。八木陽子議員は、管理責任の所在について質し、整備や設備の管理が曖昧な中での無料利用のあり方に疑問を呈した。市の管理がきちんと行われる必要性についてもあわせて言及された。
これに関連して高萩協同病院の医療体制についても質問が続き、特に産科や新生児集中治療室(NICU)設置について市民からの期待がある一方、医療人材の確保の難しさも課題であることが指摘された。市長の大部勝規氏は、周産期医療センターの機能を日立総合病院が再開することを踏まえ、高萩協同病院の役割について今後も協議を継続していく意向を示した。
これら一連の議論では、コロナ禍に伴う財政状況や市民サービス向上のために一層の見直しと連携が求められ、今後の高萩市の成長発展に向けた方向性が改めて示されることとなった。
今後も議会での活発な議論が続くことが期待される状況にある。