令和3年第3回茨城町議会定例会が開会され、様々な議題が取り上げられた。
特に重要な事項として、行政報告のなかで小林宣夫町長が新型コロナウイルス感染症の影響について語った。感染力が強いデルタ株の影響で感染が拡大し、国の緊急事態宣言が発令されている現状において、町は引き続き感染症対策に力を入れる考えを示した。町民へのワクチン接種が進められ、高齢者の接種率は約70%に達したと報告され、これに対し関係者や町民への感謝の意が述べられた。
また、財政状況についても言及があり、令和2年度の決算が認定され、歳入が249億6,341万8,943円、歳出が240億2,933万159円で、実質収支が3億9,663万2,414円となっている。特に、町税は前年同期比で2,123万5,168円の増加が見られる一方で、収入済額は前年同期比0.6%減であった。町長は、これらの数字を基に次年度に向けた財政運営の重要性を強調した。
市民生活についての質問も多く、特に川澄敬子議員は通学路の安全問題を取り上げた。昨年の千葉県八街市での事故を踏まえ、茨城町でも通学路の危険箇所について改めて調査が行われるべきとの意見が出された。教育部長の長洲茂広氏は、現在27カ所の危険箇所が判明しており、そのうち7カ所への対策が未実施であることを明らかにし、今後の対策についても言及した。
さらに、一般質問の中で高齢者の健康問題に焦点を当てた質問もあり、岩松律子議員は熱中症対策を提案。特にエアコン購入に対する補助金制度の導入を要求した。飯田照夫保健福祉部長は、他市町での取り組みを参考に、同制度の導入について今後検討する旨を答弁した。
町内の道路整備についても議論があり、美野田龍敬議員が県道や町道の整備状況について質問。都市建設部の佐久間洋部長からは、主要道路の進捗が報告され、今後の整備方針も示された。特に、町道バイパスの整備が進められることが期待されている。
今回の定例会では、行方不明者の捜索における防災行政無線の役割に関しても議題となり、迅速な情報発信が求められることが強調された。認知症高齢者に対する見守りネットワーク事業も進められており、地域全体での協力体制が重要視されている。