令和3年9月2日、常陸大宮市議会定例会が開かれ、市長の鈴木定幸氏が行政報告を行った。報告では、新型コロナウイルス感染症への対策とその影響について触れ、ワクチン接種状況や決算認定に関する議案が議題とされた。
鈴木市長は、昨年の夏に発生した台風や大雨の影響による市道の冠水といった災害について、市がどのように対応したかを詳述した。特に、山方地域や美和地域における避難指示発令や避難所の開設について、迅速な対応を強調した。また、新型コロナウイルス感染症の影響についても言及し、今年の8月において100人目の感染確認があったことを報告。その上で、若年層の感染拡大が目立つ中、国からのワクチン供給の安定が求められると述べた。
ワクチン接種状況についても詳細な数字を提示した。65歳以上の高齢者の接種完了率は約90%、全体で見ると40%以上が2回目の接種を終えている。市は大規模接種会場を設置し、市民が希望する年齢層への接種を推進しているとのこと。
次に、令和2年度の決算報告に関する議案が上程された。市の一般会計歳入歳出決算は314億2,685万円となり、歳出は301億6,092万円で、12億6,593万の剰余が生じたと報告された。この決算は、収入の根幹となる税収が減少する中でも、国・県からの補助金を活用した結果であると強調された。具体的な施策としては、特別定額給付金の支給や、地域の経済を支えるためのプレミアム付商品券事業が挙げられ、感染症関連の対策として小中学校の学習環境の整備にも取り組んだと述べた。
請願第R3-2号、基於安全・安心の医療や介護実現を求める意見書に関する議論もあり、賛成意見が多く上がる一方で、個人負担の軽減に対する懸念からの反対意見もあった。この請願は結局不採択となった。
また、議案第52号である地域センター設置および管理に関する条例や、令和3年度の補正予算案に関する議論も進められた。特に、補正予算案については、国・県の支援を受けながら困窮する家計への支援策を強調する発言がなされた。
市長は、これからも市民の福祉向上に向けた政策を継続して推進していく意向を示し、積極的な議論を進めてほしいと訴えた。