令和6年6月12日に常陸大宮市議会で行われた定例会の中で、さまざまな政策や施策について議論がなされた。
特に注目されたのは不妊治療費助成事業に関する議論である。この事業は医療面だけでなく、社会的な課題としても位置づけられており、鈴木定幸市長は「はっきり言って重要な施策です」と強調した。
この助成制度は、所得制限や助成回数の撤廃が行われ、全国的にも数少ない取り組みとなっており、新たに市外からの転入者も含めて利用が増えている。特に、助成を受けている夫婦のうち14組が現在も市内に居住しており、地域に定住する動機になっていることが示された。国の統計によると、不妊治療の全額助成者の中には、実際の妊娠率も高まっているとの証拠もあり、こうした成功事例が社会全体の少子化対策に寄与するものと期待されている。
一方で、交通安全対策も重要な議題となり、特に通学路における事故防止策が強調された。市内には多数の小中学校が存在し、特に児童の安全を確保するための対策が求められている。山崎建設部長は、「今後、関係機関と連携をとりながら安全対策を進めていく」と述べ、多くの住民や保護者の反応を受けながら対応していく姿勢を示している。
また、長期にわたる人口減少に対しては、住みやすい環境を整備しなければならないと市長が再三にわたり訴えた。地域資源を有効活用した観光振興や、特に若者や子育て世代の支援に力を入れる意向を示している。鈴木市長は、居住者が安心して暮らせるまちづくりを進めるとともに、政策の一環として文化財や歴史的資源の保存にも配慮していることがわかった。
さらに、ボランティア活動や郷土の文化を次世代に継承していくための施策も注目され、教育委員会は、地域のボランティア団体との協力体制を築きながら文化活動を支えていく方針を明らかにした。