令和2年6月15日に行われた常陸大宮市議会定例会では、市の移住施策や人口流出対策が重要なテーマとして取り上げられた。
倉田稔之議員は、移住に関する質問を通じて、コロナ禍がもたらした新しい働き方の変化を指摘した。特に、東京から地方への移住意識の高まりが常陸大宮市にとってチャンスであると強調し、「移住施策をパワーアップさせたユニークな提案プランを整備し、他の市町村に先駆けてアピールすべき」と述べた。これに対し、佐藤地域創生部長は、過去3年間における移住に関する問い合わせ件数や実績を報告。「移住に関する施策は進めているが、まだ結果が出ていない」との認識を示した。
さらに、人口流出の問題についても議論がなされ、倉田議員は「30代、40代の転出が増えている」とし、若い世代が離れている現状を憂う意見を述べた。佐藤政策審議監は、人口流出の主な要因に「就学や就職、結婚」などがあると説明し、さらなる対策が必要であると認識を示した。
広報のあり方に関しても賛否が分かれた。倉田議員は、「市民に情報提供が不足している」とし、広報活動の強化を訴えた。これに対し、佐藤政策審議監は、現行の広報手法を説明しつつも、市民の認知度向上に努める必要があるとの見解を示した。
さらに、コロナウイルスの影響で多くの市民が厳しい生活状況に置かれる中、医療機関や介護施設への支援についての議論も交わされた。鈴木市長は、医療機関の経営が非常に厳しい状況であることを認識し、必要な支援について国・県の動向を注視する意向を示した。
また、議会では東海第二原発の再稼働に関する意見も多く寄せられた。市長は「現時点では国や県の方針を尊重している」と述べ、地域住民の安全を最優先に考慮する姿勢を強調した。
このように、常陸大宮市議会では、移住や人口流出、広報、そして飲食・医療関連に課題意識を持って議論が交わされ、市民生活の質の向上に向けた様々な提案とともに、今後の具体的な対策が求められている。