令和4年第2回定例会では、室蘭市の複数の重要なテーマが討議された。
最初に、一般会計補正予算(第3号)が上程され、予算案では絵鞆岬展望台や白鳥大橋記念館の改修、東明中学校の防球ネット改修など、地域施設の整備が盛り込まれている。これらは市民からの高い要望に応えたものであり、国庫補助金と地方債を活用して実施される。
次に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性についての質問があり、佐藤潤議員(市民ネット・むろらん)は、市民サービス向上のための具体的な取組について尋ねた。和野泰始総務部長は行政手続のオンライン化、情報システムの標準化、テレワークの推進を通じて、業務効率化を図るとしている。具体的には電子会議システムの試験導入も進めており、来年度中の本格導入を目指している。
また、公共交通政策について議論が交わされた。佐藤議員は交通弱者への配慮について言及し、高齢者や障がい者が公共交通を利用しやすくするための施策を問いただした。都市建設部長の佐藤一徳氏は、交通サービスの新たな提供手法について、市としても努力を続けていると言及した。特に、相乗りタクシーやデマンド交通サービスなどの導入に向けた実証実験が行われている。
学校教育分野では、コロナ禍による影響が深刻であることが強調された。坂口淳教育部長は、小学校1年生の少人数学級を進める必要性を明言し、特に新入生が集団に適応するための環境整備が急務であると話した。
さらに、室蘭港への大型クルーズ船の寄港が話題になり、経済効果についても説明があった。今年は祝津埠頭での供用式典などもあり、寄港の強化が図られている。佐藤肇港湾部長は、寄港時における市民の歓迎行事を充実させることが重要であると強調した。
最後に、市立室蘭総合病院の経営状況についての質問もあった。新井一病院事業管理者は、医師の確保について慎重に取り組んでいるとし、地域医療提供体制の強化に努めていることを報告した。地域医療連携推進協議会の再開が必要であるとの意見も出ており、今後も議論が続く見通しである。