令和3年6月18日に開催された令和3年第2回室蘭市議会定例会で、各議員が市長に対し多岐にわたる質問を行った。今回の会議では特に、市長の10年間の総括や、介護保険制度、教育行政、クルーズ船誘致を中心に議論が交わされた。
市長の青山剛氏は、自らの任期中に掲げた各戦略方針の達成状況を報告した。彼は「30項目の取組のうち28項目に着手した」と述べた。この中で、重要視されるべきは特に人口減少対策と市民の生活の質の向上である。青山市長は「若年世代の定住を促進するため、新生活応援事業を展開している」と強調した。
また、佐藤潤議員が介護保険制度について質問した際には、認知症への対応やその予防措置についての具体的な課題も議論された。塩越順一保健福祉部長は、今年度全体での入院や施設入所の希望者が増加している現状を踏まえ、「今後の介護保険料の負担軽減に努めていく方針だ」と述べた。
教育行政に関しては、少人数学級の導入について質問があり、伊藤博明教育部長は「35人学級への拡大を進める方向性を示している」と応じた。新型コロナウイルスの影響を受け、子どもたちへの教育環境を考慮する必要性が強調された。
市内の観光振興にも注目が集まる中、クルーズ船の誘致についても議論が行われた。佐藤肇港湾部長は、「輸送機能の強化や大型クルーズ船受入れ環境の整備に取り組んでいる」と説明した。
この会議を通じて、議員たちは市民生活に直結するさまざまな政策や施策について市長や執行部に厳しく問責した。市民視点の意見を踏まえた市政運営が求められている現在、この意見交換が今後の室蘭市の方向性を定めていく重要な一歩となるだろう。