令和2年の第1回定例会では、様々な重要課題が議論された。この中で特に注目されるのは、食品ロス削減推進法の取り組みと、室蘭洋上風力関連事業推進協議会の設立だ。
滝口紘子議員は、食品ロスの現状を語り、推計で643万トンの食品ロスが発生しており、これにより約7098万円が廃棄コストとして失われている現実に触れた。また、家庭からの食品ロスが全体の45%を占め、副市長の小泉賢一氏は、地域住民との連携による理解を深めることや、自主的な管理の必要性を強調した。
さらに、室蘭洋上風力関連事業推進協議会の設立には、地域企業や市が連携し、室蘭港の活性化と雇用創出を目指す意向が示された。経済部長和野泰始氏は、具体的な経済効果として、期間累計で直接投資が約5兆円、経済波及効果として約13兆円が見込まれていると述べた。
協議会の体制と事業内容については、製造、建設、港湾関係者が参加し、発電事業者とのPR活動を通じて市内の産業を活性化することが目的だ。また、実施に向けたスケジュールは、青森県の案件を想定し、2022年から2025年にかけて展開していくとのこと。
この協議会に参加する企業は、今後の事業展開を通じて、工業界での雇用の増加を見込んでおり、室蘭港の位置づけが重要視されていることが強調された。また、新たなエネルギー供給が求められる中、LNGの取り扱いやタグボート事業の公共運営についても検討が必要との意見が相次いだ。
加えて、多胎児家庭への支援策も重要なテーマとなった。保健福祉部長の塩越順一氏は、現在29世帯が多胎児を抱えており、産前産後のヘルパー派遣事業を通じて支援を行っていることを説明したが、まだまだ支援が不足しているという現実を踏まえた改善が求められている。
このような議論の末、議会内では市民の声を反映させつつ、当市が今後進める施策について合意が形成されていく。各課題に対して今後も積極的に取り組む姿勢が求められ、市民との連携を深めていく必要がある。