令和5年10月6日に、室蘭市議会第3回定例会が開かれた。
この会議では、様々な議案や意見書が審議された。中でも「室蘭市こども未来づくり基金条例制定について」が重要な議題として取り上げられた。議案第3号は、廃止される「室蘭市子育て応援基金」と「室蘭市こども姉妹都市等交流基金」を置き換える形で、新たに設置される基金に関するものである。民生常任委員長の児玉智明氏は、市の子育てに対する支援が強化されることを強調し、質疑応答では基金の具体的な活用方法について議論が交わされた。
また、歳入歳出決算の認定では、「令和4年度室蘭市一般会計歳入歳出決算の認定について」が審議され、過去の予算執行が市民生活に与えた影響や市の政策について議論がなされた。特に物価高騰に対しての市の対応について、認定第1号に反対する意見も出され、市民生活を守るべきとの意見が多く述べられた。
意見書についても重要な案件が提案された。特に、新型コロナウイルス対策として「下水サーベイランス事業の実施を求める意見書」が可決された。これは、下水を利用した感染症の監視を全国規模で行うことで、早期の感染予測を目指すもので、感染症対策の重要性が再確認された。
さらに、東京電力福島第一原発からの汚染水の海洋放出に反対する意見書も提出され、風評被害や漁業への影響が懸念された。提出者の渡辺房代氏は、海洋放出の決定が福島の復興に障害をもたらすとし、国に対して強く実行しないよう要望した。
その一方で、来年に廃止される健康保険証に関する意見書も提案され、マイナンバーカードとの一体化に伴う問題点が指摘された。市議としても国民の医療の安心と安全を求めて、現行の健康保険証を存続させるよう訴えた。
これらの議題に対し、市議会では市民の生活を第一に考える意見が数多く出され、最後の採決も賛成多数で承認された。室蘭市の今後の政策に対し、市民の目線が重視されることが期待される。