令和3年6月24日、南相馬市議会は第3回定例会を開催し、様々な議案や報告事項が審議された。
出席した議員は22名で、議長は中川庄一氏が務め、まず、議案第52号の南相馬市市民一体化復興促進基金条例の改正案に関する質疑が行われた。この議案では市民の一体感の醸成を目指し、高速道路通行料金助成事業が進行中であることが紹介された。市によると、この制度の延長は市民の利用促進へ繋がり、不公平感を減少させる狙いがあるという。
質疑の中で、渡部一夫氏が政策の公平性について指摘し、延長された制度が実質的に市民の不公平感を助長するのではないかとの懸念を表明した。それに対して鹿島区役所長の高野雅伸氏は、事業の成功事例と市民への恩恵をもたらす改善策を示した。市は、利用者への周知を強化し、より多くを対象にした施策を進めて行くと答えた。
続いて、地域振興や復興計画に関わる議案、特に議案第53号から第72号までが続けて審議された。これらの議案では市税の特例、国民健康保険制度に関する改正、新型コロナウイルス感染症への対策など多岐にわたる議題が取り上げられた。注目すべき点は、国民健康保険特別会計補正予算において、基金が先の試算より増加したことが指摘され、行政の柔軟な対応が求められた。
市民生活部長の佐々木忠氏は、国からの支援や基金の状況に基づいた説明を行い、財政運営への配慮がなされたことを強調した。議案第60号や第61号、第62号における工事請負契約に関する質疑では、適正な財源の運用と品質管理が求められるとの指摘があり、担当部門はその重要性を再認識した。また、公共建築物に対する市民への説明責任についても語られ、市の透明性を求める声が高まっている。これらの議案は各常任委員会に付託され、さらなる審議が期待される。
今後もこの議会での討論は市民の暮らしに直結しており、より良い政策が進められる事に議員も期待している。