令和3年4月27日、南相馬市議会が臨時会を開催し、重要な議案が審議された。議題には市の一般会計補正予算や下水道事業会計補正予算、工事請負契約の締結に関するものが含まれた。特に注目されたのはトリチウムを含むALPS処理水の海洋放出方針に関する抗議議案であった。
市長の門馬和夫氏は、議案第48号の専決処分の報告を行った。これには、地方自治法に基づく南相馬市税条例の一部改正が含まれており、一般会計補正予算の必要性についても説明した。具体的には、新型コロナウイルス感染症影響による緊急の対応策や災害復旧費が盛り込まれており、歳入歳出それぞれに約3億3000万円が追加される。これにより、補正後の歳入歳出予算の総額は約460億円となる見込みである。
次に、トリチウム及び放射性核種を含むALPS処理水の海洋放出方針決定に対する抗議の意見書が提出され、全議員からの支持を得た。提出者の渡部寛一氏は、政府が福島の漁業者の理解を無視して海洋放出の方針を決定したことを強く非難した。この決定が地域の復興努力を無にするものであると強調し、国民の理解を得るための透明性ある検討が必要だと訴えた。
討論において、議員からは新型コロナウイルス対策としての経済支援と、飲食店支援のための補助金やプレミアム商品券の発行に関する質問が相次いだ。また、飲食店では、コロナ禍の影響で経営が困難になっている状況を考慮した支援策についての意見も多く出た。
最後に、議案はすべて可決され、南相馬市は市民へのより良いサービス提供に向けた取り組みを進めていく方針を示している。次回の定例会に向けて、引き続き増加される議題への審議が期待される。