南相馬市の令和3年12月定例会が12月9日に開催され、様々な議案が審議された。
議案の中で最も注目を集めたのは、南相馬市立病院看護職員の特殊勤務手当の特例に関する条例制定についての質疑であった。渡部一夫議員は、看護職員が厳しい状況下で地域医療を支えていることを称賛しつつ、「特殊勤務手当の対象人員はどのようになっているか?」と質問した。これに対し、総合病院事務部長の小迫佳行氏は、看護体制強化支援手当の対象者は、総合病院159人、小高診療所4人の合計163人であると説明した。さらに、渡部議員は「不公平感についてはどう考えるのか」と問うと、小迫氏は、県外病院との給与水準の格差是正を目的としていると述べた。
次に、震災関連の法律に関する議案では、津波被災者に対する固定資産税の減免規定の一部改正が提案された。新田正英総務部長は、全額免除対象者が789人、2分の1減免対象者が1,272人に上ることを示し、対象者の継続的支援が必要であると強調した。
さらに、国民健康保険条例の改正も議題に上り、佐々木忠市民生活部長は、出産育児一時金の支給額を42万円に維持すると説明。この改革は、少子化対策の一環とされているが、議員からはさらなる昇給の必要性を訴える声も上がった。
この日の定例会では他にも、地域医療介護総合確保事業の補助金についてや、経済対策としての消費喚起支援事業に関する質疑も行われた。特に、事務局長の高野公政氏は、消費者が利便性を感じるよう商品券の利用期間を延長する旨を述べ 、市民の意見をさらに反映させる体制の強化を示唆した。
全体として、南相馬市は地域医療や市民生活に対する取り組みを強化する意向を示し、今後の議会運営に注目が集まる。議会は12月16日に再開され、各委員会における議案審査が予定されている。