令和2年第6回南相馬市議会臨時会が7月31日に開催された。
議案の中で最も注目を集めたのは、令和2年度南相馬市一般会計補正予算である。市長の門馬和夫氏は、補正予算の理由として、コロナウイルス感染症対策や災害復旧に必要な予算を計上したことを挙げた。このため、歳入歳出それぞれに約9億9千万を追加し、総額は約643億を超える見込みであるとされた。
これに対し、議員の質疑が相次いだ。特に目を引いたのは、経済部長の横田美明氏による商工業者支援についての詳細な説明であり、特に非会員事業所への対応を求める声が多かった。議員は、最低限の補助金解答が必要であり、地域の実情に応じた支援が求められていることを強調した。
また、補正予算の中には、新型コロナウイルス感染症に対応するための「新しい生活様式」を踏まえた施策が含まれたことにも言及があった。具体的には、商業者の販売促進や雇用維持に向けた施策が取り上げられた。経済部長は、各商工会との連携を強め、地域経済の復興を図ると述べた。
一方で、花火打ち上げ事業についても議論が起きた。感染対策を考慮し、実施方法について検討が必要であるとの意見が多く、円滑に実施するためには、事前から周知しなければならないとの指摘があった。市長も、一部の市民を対象にし、適切な周知を行う方針を示した。
さらに、災害対策に関する議案も承認され、特に土砂撤去や河川管理に関連した事業計画が進められる。市では、台風シーズン前の対策を重点的に進める方針である。
最後に、渡部寛一氏からの新型コロナウイルス感染対策に関する意見書案が承認され、今後市として国に対し構成的な要請を行う姿勢が示された。審議は厳戒な状況の中で進められたが、南相馬市の未来を見据えた政策が求められている。