令和元年12月9日に行われた南相馬市議会では、災害対策や市民生活向上に関する重要な議題が取り上げられた。
特に注目されたのは、台風第19号やその後の豪雨による災害への対応および見直しが求められる、防災意識の強化である。
議会では、渡部寬一氏が市民を守るための災害対策について質問し、防災行政無線や防災ラジオの普及状況、受信能力に関する問題が浮き彫りにされた。復興企画部長の庄子まゆみ氏は、9月30日現在での防災ラジオの貸し出し状況について述べた。貸し出し件数は58.5%にのぼり、その後台風の影響を受けてからは普及率が若干上昇したものの、依然として受信不能な地域が存在することが課題とされている。市は今後、地域ごとの受信状況調査や改善策の講じることを発表した。
また、田中京子議員は市長の政治姿勢について質問した。特に、地域サロンの拡大や民生委員の重要性、ひきこもり問題への対策など多岐にわたる議題が話し合われた。高齢者支援のネットワークや、地域住民の見守り活動の強化が求められ、市民生活部長の岡田淳一氏は、地元NPOやボランティアと連携して支援を進める意向を表明した。
さらに、竹野光雄議員は市の子育て支援策について言及し、今後の方向性について議論した。出産祝金の支給や、子育て世代に向けた経済的支援が求められる中、市長は必要な事業を見極め、支援の拡充について検討していく意向を示した。
今回の議会では、食品ロス削減施策についても言及され、市民が食品を無駄にしない意識を持つことが重要視された。市民生活部長の星高光氏は、国の法律に従い、様々な取り組みを行っていくことを約束した。
最後に、今後の行政経営に関する意見が交わされ、経済部長は財政状況に関する厳しい現実に触れ、特定財源の確保に注力する方針を明らかにした。議会の結果とその後の情報収集に基づき、柔軟かつ迅速な対応が今後も期待される。