令和4年12月14日、南相馬市議事堂で行われた定例会では、南相馬市の未来を見据えた多様な課題が議論された。市民からの声を受け、特に子育て世代に選ばれるまちづくりに注目される中、大場裕朗議員は市内の小中学校のバリアフリー化や登下校時の保護者送迎問題について質問した。教育委員会事務局長の鎌田由光氏は、バリアフリーの進捗と今後の計画について説明し、改善の必要性を強調した。
そして鈴木昌一議員は、地域医療の提供体制に関心を寄せ、南相馬市立総合病院の経営改善について質問した。市の財政状況を考慮しつつ、医療提供の効率化に向けた取組が求められた。特に、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中で、病院がどのように機能しているのかが焦点となり、医療体制の強化が必要であるとして意見が交わされた。
また、櫻井勝延議員は市長の政治姿勢について言及し、「100年のまちづくり」の視点から、南相馬市の今後の人口動態や地域医療、さらには災害対応についての認識を問いただした。市長の門馬和夫氏は、震災からの復興の道のりや地域資源の活用を語り、特に教育・子育てや医療の整備が市の重要な課題であると示唆した。この中で、医療体制の問題、特に周産期医療の充実についても強調され、今後の施策に期待が寄せられている。
公約の推進状況についても議論が進む中、門馬市長は前回の選挙公約の進捗状況について回答し、一定の達成率を示したが、さらなる課題も認識され、多くの意見が交わされた。市民生活や医療環境の向上を目指し、さらなる努力が求められたこの定例会は、未来に対する多くの視点と課題を浮き彫りにした。