令和5年3月10日、南相馬市議会で定例会が開催された。議案第28号である令和5年度一般会計予算が中心議題となり、質疑が行われた。
この予算は、地域医療や福祉施策の充実を図るものである。具体的には、医師の働き方改革や、国民健康保険、介護保険、教育分野への施策が強調されている。特に、医師の働き方改革には、勤務時間の上限規制が施行されることから、医療環境の改善が期待されている。これを受け、南相馬市立総合病院では、勤務実態の調査を行い、体制を整備する予定だと述べられた。
また、議案第5号の南相馬市手数料条例の改正については、マイナンバーカードの交付にともなう手数料の見直しが議論された。市民生活部長の佐々木忠氏は、「マイナンバーカード交付率が66%に達し、サービス向上を図る一方で、手数料の削減を行う」と説明した。
教育分野では、G1中学生海外研修事業についての質疑が行われた。岡崎義典議員は、「参加希望者全員が研修に参加できる環境を整えるべきだ」と主張し、教育委員会事務局長の鎌田由光氏が「検討は行う」と述べ、今後の方針についても触れた。これにより、教育の充実を図る意向が示された。
一方、南相馬市の認知症サポーター養成講座に関しても質問が上がった。サポーター数の増加を図るため、広報活動やボランティアの活用が必要だと議論され、具体的な方策の検討が進められるべきとの意見が多かった。
議会では、各議案に対する質疑が継続され、市民生活や福祉の向上に向けた具体的な施策が提案された。議長である平田武氏は、全ての議案に対して慎重に審議を行い、今後の施策に期待が寄せられている。