令和2年9月8日、南相馬市議事堂において開催された定例会において、様々な議題が議論された。
特に、市長の政治姿勢に関する一般質問が目を引いた。発言した7番の大山弘一氏は、がんゲノム医療について言及し、市立総合病院の取り組みを確認した。彼は、この医療が全国に広がることを望むとし、「がん細胞から遺伝子を調べ体質に合った治療を行うことが重要」と強調した。これに対し、総合病院事務部長の小迫佳行氏は、「がんゲノム医療を推進していくが、県内では福島県立医科大学附属病院が連携病院となっている」と述べた。
また、内部被ばく問題についても触れられ、特に甲状腺がんの発生メカニズムについて議論が交わされた。大山氏は、「放射線による甲状腺がんの原因を解明するために、正確なゲノム解析が必要」と主張した。市の健康福祉部長、岡田淳一氏は、関連する研究を続けることが重要だと述べた。
次に、台風シーズンを迎える中での水害対策についても、田中一正氏が具体的な対策を求めた。市長の門馬和夫氏は、「ダムの運用見直し、河川の土砂しゅんせつ、避難体制の構築」を提案し、特に大雨の際の事前放流の重要性を訴えた。さらに、前回の台風の教訓を踏まえ、市民の生命と財産を守る責任の重さを強調した。
さらに、人口減少対策に関する議論も行われ、復興部長の庄子まゆみ氏は、現在の居住人口が推計を上回っていることを報告し、具体的な施策の必要性を訴えた。特に、福島ロボットテストフィールドを利用した新たな産業創出について期待を寄せていることを強調した。
有害鳥獣対策については、栗村文夫氏が指摘した。市内で目撃されるイノシシやハクビシンの増加に伴い、適切な対策が必要であると強調し、また、回覧による情報提供の重要性も訴えた。経済部の中目卓君は、ハザードマップのデータを活用し、戦略的な捕獲と情報収集を行うことに取り組んでいると説明した。具体的には、農作物守るための防護柵や地域主体の活動支援について議論された。
全体を通じて、議員らは市民の生活の質向上に向けた具体策を強く求め、特に医療や防災の分野で現状の課題を克服する必要性が再確認された。市は今後もこれらの課題に取り組み、地域の安全性や生活の質の向上を目指していくことが期待されている。