南相馬市の定例会が令和5年9月11日に開催され、様々な議題が取り上げられた。特に注目されたのは、渇水対策や水害対策、避難の在り方に関する発言である。
13番の田中一正氏(友和会)は、渇水対策として横川ダムの現状と対策について質問した。氏は、今年の夏、横川ダムの貯水量が20%と深刻な状況にあることに言及し、取水量の管理や堆砂除去の必要性を強調した。「番水制による取水量の増加は一時的な対策に過ぎず、今後の渇水対策については計画的に行う必要がある」と述べ、地域全体での水の使い方に協議が必要であることを訴えた。
さらに、氏は災害時の避難の在り方についても言及した。避難基準の明確化や、防災マップの利活用について提言し、「避難所の整備や、避難時の防犯対策にも留意が必要」と指摘した。また、健康増進の観点からサイクリング人口の増加にも触れ、サイクリングロードの整備状況やその効果についても意見を述べ、地域住民が利用できる環境整備を進めるよう求めた。
菊地洋一氏(友和会)も質疑に立ち、「100年のまちづくり」について地域委員との協議を強化する必要性を訴えた。特に、民生委員制度について、担い手不足と高齢化の話題が挙がり、柔軟な制度改革が求められている。市側は「協力員制度を導入して担い手不足の解消に努めている」と答えた。
また、渡部寛一氏(無会派)は、小高コミュニティセンターの使用再開について議論した。地域の文化と交流の場としての役割を担っており、早期の再開が望まれているが、施設の老朽化や給水の問題が障害になっているという。市側は施設の現状を説明し、「地域の意見を踏まえながら再開の可否を検討していく」との方針を示した。
これらの議論を通じて、南相馬市における住民の生活の質を向上させるための施策が求められていることを改めて認識させられる機会となった。特に、災害対策や環境整備については、今後も継続的な対応が重要である。市民の意見をさらに反映させる形での取り組みが期待される。