令和5年3月9日、南相馬市議事堂で春の定例会が開催され、様々な重要な議題が扱われた。その中でも特に、岡崎義典議員が提起した「ポストコロナに向けた施策」が注目された。
新型コロナウイルスの影響を受けて、市は生まれた新たな課題に取り組み、特に出生数減少への対策を強調している。この施策の一環として「みらいづくり1.8プロジェクト」が進められており、2040年には出生数300人を目指す。岡崎議員は、出生数が減少傾向にあることを示し、「過去数年で目標との差が大きくなっている」との懸念を表明した。この点に関して、こども未来部長の末永実氏は「婚姻数の減少や経済的要因が影響している」と説明し、引き続き施策を実施する意向を述べた。
また、櫻井勝延議員は市長の政治姿勢について言及し、市民サービスや機構改革について質問した。市は「市民サービスの向上」を目指して窓口サービスの改善を進めているが、一部の区役所では市民に対し、窓口でのたらい回しが生じているとの指摘もあった。市民の意見を現場に反映させる重要性が再確認される中、職員のメンタルヘルス対策も同様に課題として挙げられた。
さらに、南相馬市立病院についても、長期の経過を経た本館病棟の老朽化に触れられ、病院が抱える課題が表面化してきた。医療スタッフの接遇問題や地域医療連携の強化についても意見が交わされたが、特に接遇改善には力を入れる方針が示された。
こうした議題の中で、地域自治の推進も重要なテーマとして扱われ、特に市民の声が反映される場の重要性が強調された。市民参加によるまちづくりが、自治基本条例においても求められている中、今後どのような形で実現されるかが注目される。
全体を通じて、南相馬市は復興と未来へのビジョンを掲げながら進んでいるが、実際の施策の実行力や市民とのコミュニケーションが今後の鍵となる。議会の意義が再認識され、引き続き市民の音に耳を傾ける姿勢が求められている。