令和5年2月28日、南相馬市議会では第1回定例会が開催され、31件の議案が提出された。この中には南相馬市部設置条例改正案や、令和4年度一般会計補正予算などが含まれている。
議案の中でも特に注目を集めたのは、南相馬市部設置条例の一部改正に関するものである。主な変更点は、経済部を商工観光部と農林水産部に再編成することだ。経済部長の横田美明氏は、「地域経済の発展に向けて、各部が専門性を活かして迅速な意思決定を行う必要がある」と強調した。議員からは戸惑いや懸念の声も上がったが、総務部長の小迫佳行氏は「専門性の向上がもたらすメリットが大きい」としました。
また、令和4年度一般会計補正予算では、震災からの復興支援や、新型コロナウイルス対策が取り上げられた。特に、民生費や社会福祉費に関連する議案では、コロナの影響で実施できなかった事業の減額が目立った。健康福祉部長の岡田淳一氏は、生活困窮者の支援に取り組み、方針を変えずに継続的に支援していく意向を示した。
一方、資本金を利用した病院事業会計補正予算も議題に上がった。この事業では、病院の老朽化対策が迫られる中、一部工事の先送りも視野に検討されている。事務部長の渡辺裕氏は、入院患者数の減少や医療スタッフの不足が影響を及ぼしていることを説明し、効率的な運営の重要性を説いた。
今後の会議では、令和5年度の新予算編成についても議論が本格化する見込みである。議員たちは、市民にとっての実利を考えながら、市政運営の透明性と説明責任を果たすよう求めていくことが期待されている。