令和元年9月10日に開催された南相馬市の議会では、さまざまな重要課題が議論され、特に学校給食費の無料化や有害鳥獣対策などが注目を集めた。
最初の質問者である渡部寬一議員は、原発事故後の学校給食費の無償化を求める声を上げた。彼は、南相馬市の就学児童が減少していることを指摘し、2011年度から比べて小学校の児童数が約50%に減少している現状を示した。これに対し、教育委員会事務局長の羽山時夫氏は、学校給食費補助制度の拡充を目指す考えを示したものの、全児童生徒対象の無償化は 財政的な負担から難しいとした。
次に、鈴木昌一議員は地域医療提供体制の重要性について取り上げた。市立病院が300床体制を目指す中、具体的な医師確保策の進展を問う場面もあった。新田正英市立総合病院事務部長は、医療環境の整備が進んでいることを強調した。
さらに、菊地洋一議員は南相馬市農業の将来について言及した。農産物の地域ブランド化に向けて、具体的な安定供給体制の構築が必要であることが指摘された。また、教育水準向上についても、教育長は学校の授業改善プランを策定し、全国平均を上回ることを目指していると説明した。
海資源の観光活用については、北泉海水浴場の利用者数が約30,000人に達したことを報告し、その課題として駐車場の不足や海の家の設備環境を挙げた。利用者数は好調であるが、さらなる地域の魅力向上を計画している。
最後に選挙の投票率向上についても議論された。最近の選挙では投票率が低下傾向にある中、啓発活動や高校生を投票立会人として依頼することなど新たな取り組みが重要とされている。